第17話「過去の清算」 (03/09/15)
さて

「それにしても、君はわたしのことをPerdelを殺した人物だと知って、着いてきているのかい?」
「もし、それが間違っていたら、わたしはお父さんが殺したことを信じなくちゃいけないから」
「もしかしたら、殺されるとは思わないのか?」

思わない

 Tubomiはまっすぐ前方を見ているCarlanを見上げた。
「Carlanさんは人を殺すような人には見えない」
「先ほどのセリフと、矛盾しているぞ」
 Carlanは足を止めた。

ここがそうだ

「ここがPerdelの亡くなった場所だ」
「ここが……。じゃぁ、あなたは、やっぱり……」

証拠は何だ?

「そう思うのは君の想像だろう」
「?」
「君にはあの時、わたしがPerdelを殺したという証拠を何一つ持っていない」

唐突に

「これは違うかしら?」
 CarlanとTubomiは声のした方を見た。

でん

「Ryokoさん」
「Ryoko……」

証拠の品

「これは父が身につけていたネックレス。これがあなたの家にあったそうよ」
「わたしの家に?」
「Faceさんがあなたの家から持ち出したそうよ」
「Faceが……。なぜ……」
「あなたが父を殺したのね」

おいおい

「待て、お前はLondが父親を殺したところを見たと言ったのではないのか?」
「…………」
「どうなんだ?」

幻覚よ

「……Lond以外に、あなただって疑う相手だわ。
 あの時見たのは、幻覚かも知れない!」

おいおい

「幻覚だと……?」
 Carlanは器用に右眉をつり上げた。

幻覚よ

「Faceさんからあなたにも疑う余地があるって、聞いたわ」
「…………」
 Carlanは黙ってRyokoを見つめた。

そうか……

「そうか……」
 Carlanは静かに笑った。
「そうだ。Perdelを殺したのは……」

正体現れたり
「このわたしだ」

どうするつもりだ

「このわたしをどうするつもりだ? 父の敵を討つつもりか?」
 CarlanはRyokoからTubomiに視線を移した。
「Tubomi。おまえはどうするつもりだ?」

わたしは……

「あなたが、どうしてお友達を殺してまで、お金が必要だったのか知りたい」

それはだな

「欲に目がくらんだだけだ」

娘さんの為に

「娘さんの為に、お金が欲しかったんでしょ?」

もしかして

 RyokoはTubomiに視線を向けた。
「病気で亡くなったという……」
「昔は純粋にそう思ったが、今は違う……」

仕方あるまい

 Carlanは武器を構えた。
「悪いが、君たちは知らなくても良いことを知りすぎたようだ」

ガガン
「!!」

自分を恨め

「恨むなら、自分の好奇心を恨んでくれ」

髭パパ登場

「やめるんだ! Carlan!」

来たか……

「Lond……」
「お父さん!」

罪作りだ

「Carlan……。これ以上罪を作るな。
 Perdelを殺したのは、素直に娘を助けたい一心だったのだろう」
「昔と今は違う。今は……
 今は地位におぼれている」
「今ならまだ間に合う」

なに?

 Carlanは不敵に笑った。
「悪いが、もう遅い」
「なに?」
「お前には謝らなくてはならないな」
「何のことだ」
「3年前、コンシュでRyokoと会った。そこで、お前がPerdelのとどめを刺したことを聞いた」
「わたしは殺していない」
「わたしは、お前も何か知っていると感じ、オークを使い、お前を襲わせるよう仕組んだ」

なんと!

「まさか! 3年前、娘と生き別れになった出来事は!?」
「!!」

ガガン
「そう、このわたしだ」

ぬぬぬ……

 Londは拳を強く握った。

登場おそっ

「話は聞かせて貰いましたよ」
「Crioさん」
「特ダネ編集社の……」

…………

 Carlanは小さく笑った。
「さすがに、わたしの過去を知った者が、これだけいるとなると、証拠隠滅は無理か……」

どうする気だ

「特ダネ編集社のCrioとやら……。わたしを売る気か?」
「どうだろうな?」

Lond……

「Lond……。お前は娘と3年間の空白を幸せで埋めつくせ」
「…………」

Ryoko……

「Ryoko。おまえはバストゥークから離れ、静かに暮らせ。その方が幸せだ」
「……どういう事?」

Londよ……

 CarlanはLondに視線を移し、目配せをした。
「!? どういう意味だ!」

とりゃ

 次の瞬間、Carlanは激流の川に向かって駆けだした。

いけない!

「だめ!」
「!?」
 TubomiはCarlanの体を引き戻そうと体にしがみついた。
 バシャーン

!!

「Tubomi!」
「Tubomiちゃん!」
 Londは激流の中に飛びこんだ。
 Carlanは激流の中で、自分の手を掴む者に気づいた。

最後の最後に登場

「Carlan……。お前はまだ、生きるべき人物だ」
「Face……」

 Londは激流の中で、Tubomiの体を抱きしめた。
「お父さん……」
「お前一人にさせるものか」

ぬわゎぁ

 LondとTubomiは、激流の勢いで、滝と一緒になって落下した。
「ぬわぁぁぁ」
「きゃぁぁぁ」
「Lond殿!」
「Tubomiちゃん!」

ごごごご……
ごごごご……

 続く……。