第15話「真実を知る者」 (03/08/16) |
「ここまでくれば、追っては来ないだろう……」 「ようやく会えたわ。Londさん」 「……誰だ」 Londは眉間にしわを寄せた。 「あなたはわたしのことを覚えていないでしょうね。 でも、わたしはあなたのことを知っているわ」 「…………」 「Perdelという名前は知っているわね」 「まさか! おまえがRyokoか!」 「そう。あなたに殺された、Perdelの娘です」 「!?」 「お父さん、本当なの!? Ryokoさんの父親を殺したってこと」 「お前まで、何を言っているんだ!」 「ようやく逢えたって言うのに、分からないよ!」 「あなたがわたしの父を殺したところ、この目で見たの」 「なんだって!?」 「わたしの母を自分の物にする為に」 「ちがう! 妻は……、いや彼女は……」 「わたしの目の前じゃ、妻とは言えないの? そうよね。母親を奪われた娘のわたしを目の前にして、そんなこと言えないよね」 「わたしはPerdelを殺してはいない! 来てみたら、首のない姿で倒れていた! それに、彼女と共に旅に出たのは、姿を消したお前を捜す為だ!」 「わたしを?」 Ryokoは笑った。 「わたしは、父を殺した相手が、母に近づくから、姿を現せられなかっただけ! すべて、あなたのせいよ!」 「!!」 「もう、話すことはないわ! ここで、父の敵を取らせてもらう」 Ryokoは剣を構えた。 「…………」 「Tubomiちゃん。いいわね」 「…………」 「Lond。ここはわたしに任せろ」 「Face!!」 「あなた……」 「あなたは……」 「今、こいつらに何を言っても無駄だ」 「Faceさん! 邪魔をしないで!」 「後で落ち合う」 「……すまない」 「待って、お父さん!」 「…………」 「わたしは、お父さんの子供なの?」 「……そのつもりだ」 「…………」 「やめるんだ、Ryoko」 「なんで……、どうして」 「Ryokoさん。わたし、どうしてもお父さんが人を殺したとは信じられない」 「…………」 「お父さんが殺していないのであれば、やっぱりCarlanさんしかいない」 「Carlanさん……?」 「Carlanさんのこと、調べてみる。答えが見つからない限り、お父さんとは会えない……」 TubomiはRyokoから立ち去った。 「Ryoko……」 「どうして……」 「?」 「どうして、あの時来てくれなかったの!?」 「……なんのことだ」 「20年前、わたしはあなたをあの場所に呼びつけたじゃない!」 「でも、そこに待っていたのは父だった」 「……すまない。事情があって」 「わたしは、すぐに隠れたわ。それからすぐ、Londが来て……。 もし、あなたが来ていれば、父は助かったかも知れない!」 「…………」 「それでも、わたしは父の敵を討っちゃいけないって言うの!?」 「あの時、わたしはLondと一緒にいた」 「!!」 「お前に、見せたい物がある」 FaceはRyokoにペンダントを見せた。 「それは! どうして!」 「20年前、Carlanが使っていた家で見つけたものだ」 「じゃ、じゃぁ、Faceさんは、父が……」 「Carlanは過去、不正な利益を手に入れた。それを巡って、Perdelと諍いがあったのだ。 疑うべき相手はLondだけではない」 「どうして、どうして父の敵を取ってくれないの!」 「……真実を知っているからだ」 「…………」 続く……。 |