第14話「混濁する出生の謎」 (03/08/07)
いけない!

「やめて、Ryokoさん」
 TubomiはRyokoを制した。

来てしまったのね

「Tubomiちゃん……」
「20年前、殺されたあなたの父親って、Perdelさんの事だったのね」
「…………」
 Ryokoは黙ってTubomiを見つめた。
「Carlanさんから聞きました。あなたが父の死んだ当日、忽然と姿を消した事。
 これは、父親が殺されたところを目撃したんじゃないんですか?」

あなたの父親にね

「そう、あなたの父親にね」

…………

 Tubomiは眉間にしわを寄せ、複雑な顔をした。

対峙

「あなたは、どうなの? 自分の父親が、人殺しだと知って。まして、今、目の前にいるわたしの父親を」
「わたしはお父さんのことを信じてる。お父さんは人を殺してないって」

どうして!?

「目の前で見たのよ!? このわたしが。自分の父親を、あなたが父と呼んでいる人に殺されたのを」
「…………」

見て

「あなたに、これを見せてあげる」
 RyokoはTubomiにネックレスを見せた。

!!

「それは!」
 Tubomiは驚いた。
「そう。あなたと同じネックレス」
「どうして……」

3つ現存するはず

「これと同じのが、世の中に3つあるわ。
 1つは、わたしが持っている、これ。
 そして、あなたが今身につけている、ネックレス。
 最後に、わたしの父――Perdelが身につけていた物」
「それって……つまり……」

ピンと

「あなたをタロンギで最初に見た時、すぐにピンと来たわ。

…………

 そして、バルクルム砂丘で、ネックレスを間近で見た時、確信したわ。

同じ母親だってことね

 あなたの母親は、わたしの母親と同じだってことをね」

ガガン!
「!?」


よろしく

「つまり、わたしとあなたは姉妹なの。よろしくね」
 RyokoはTubomiににこりと微笑んだ。

うぅ……

「どういうこと……」
「どうもこうもないわ。あなたが父と呼んでいる人は、わたしの父を殺し、母親を奪った」
 Tubomiは額を抑えた。

安心して

「安心して、Tubomiちゃん。もしかしたら、あなたの父親は人殺しじゃないかもしれないわ」
「?」

ガガン!

「あなたの父親は人殺しのLondではなく、Perdelかも知れないってこと」
「!!」

 続く……。