第3話 「父の決意と娘の決意」 (03/03/08)
手紙を読むTubomi

「手紙が来てるぞ」
 TubomiはMooguから手紙を受け取った。
「お父さんからだ!」
 Tubomiは手紙の内容を読み始めた。

父Lond

 娘よ。お前が生きていて本当によかった。
 お前と別れてから、もう、何年になるだろう。わたしは今、各国を跨いで旅をしている。
 妻が亡くなってから、お前と共に放浪の旅をしていた頃が懐かしい。
 しかし、あの悪夢のような出来事がなければ、今がどれだけ幸せなことか……。
 鬱蒼とした森の中で、数匹のオークに絡まれたわたしは、オークを引きつけ、お前を逃がすことを優先した。
オークたちに絡まれる。って言うか、ゲルスバじゃん

「逃げろ! 逃げるんだ!!」
「お、お父さん!」
「心配するな! 必ず追いつく!」
 結果、わたしはその戦いに敗れた。
 一人倒れたわたしの元に、行方不明の主人を探しにやってきたMoogleのMoguに助けられた。Moguの件名の介護のおかげもあって、わたしは一命を取り留めた。 だが、わたしは全てに対して、気力をなくした。
酒場で飲んだくれ

 お前と引き裂かれ、生き甲斐を失ったわたしは、酒場に通い続ける日が続いた。
 ある日、そんなわたしにこう言った者がいた。
「生きろ!」(笑)

「飲んでるだけじゃ、大事な人を守れないクポ」
 それは、わたしを助けてくれたMoguだった。彼は、あれから主人を見つけることが出来ず、新しい主人を捜しているところだった。
 わたしは気づいた。自分が弱い存在だという事実に押し潰され、娘の生死を確認していない事を。
 わたしは、Moguの新しい主人となり、こんなわたしを見捨てなかったこの国の冒険者となろうと決意した。
分かってくれ

 だから娘よ……。分かってくれ。
 お前の所在が分かった今、すぐにでも駆けつけて、お前を抱きしめてやりたい。だが、今のわたしにはお前を守るどころか、自分の身さえ守ることが出来ない。 これでは、またあの悪夢を繰り返すだけだ。
 今はお前と会うことが出来ない。
 だが、自分に自信を持てた時、きっと迎えに行く。
 だから、信じて待っててくれ。
 わたしが迎えに来るのを。

「お父さん……」

「お父さん……」
 Tubomiはポロポロと涙をこぼして泣き出した。
「Tubomi……」
 MooguはTubomiを慰めた。
「わたし、決めた」
 Tubomiは涙を拭った。
「わたし、お父さんを探して、旅に出ます。Moogu、許してくれるよね?」
 Mooguは悩んだ。
 一見、父と娘の意見が食い違っているようだが、お互いのことを想っているという点では一致している。 こんな所に、わたしが介入する余地はあるまい……。
「Moogu?」
「おまえさんは、わたしのご主人様だ。好きなようにするが良いさ」
「ありがとう! Moogu!」
「ありがとう!」

 TubomiはMooguを抱きしめた。
「こ、こら。離さんか!」
 Mooguは顔を赤くして照れた。

続く……