番外編9「サブリガン 限界突破!」 (03/07/01)
おい!

「神よ」
「ん? なんだ」
「わたしを黒魔道士にジョブチェンジしてくれ」
「なぜだ」

!!
!!

おい!

「いくら神でも、姿はモーグリ。わたしのジョブチェンジぐらい、サポートしてくれ!」
「黒魔道士にしては、サブリガが履けないではないか」
「んなこと知るか」

困った奴だ
「分からない奴だ……」

お前だ!
「分からない奴は、お前だ!」

では

「試しに、ジョブチェンジの項目を見てみろ」
「ん?」
 モグハウス→ジョブチェンジ→メイン
「こ、これは!?」

分かったか

「お前がジョブチェンジできる項目はない。
 強いて言えば、サブリガン、ただ一つだ」
なということだ
「な、なんという事だ……」

どうだ?

「お前はサブリガしか履けんのだ」
「そ、そんな、そんなこと信じるか!」
 Landは部屋を飛び出した。

あ〜あ

「行ってしまった……。
 真実を知るには早すぎたか……」

〜がんばれサブリガン!〜
「サブリガン 限界突破!」

どうすれば

「サブリガしか履けないなんて、信じないぞ……。かならず、サブリガ以外の物を履いてみせる」

これ

「これ、そこの若造」
「む。わたしのことか?」

そうじゃ

「お前以外に、誰がいる」
「まぁ、あんたに言わせれば若造だが……。何か用か?」
「おまえ、見たところサブリガンと見える」

そうだ!

「そうだ! 悪いか!」
「こらこら、そんなに怒りに奮えてどうする。おまえさん、もう、サブリガンの限界に達しているようだ」

どういうことだ

「なに?」
「冒険者は、最初、みんなサブリガンなのだ」
「な、なんだと!?」
「中には例外もいるが、LV7になったら、サブリガからレザートラウザに卒業する」
「で、ではわたしは……」
「おまえも、そろそろ卒業する時だ」

どうすれば!

「ど、どうやれば」
「まず、ダングルフの涸れ谷へ行き、臥竜の滝へ抜ける」
「うむ」
「臥竜の滝の滝壺付近に、スーパーサブリガという物がある」
「す、スーパーサブリガだと……。酷いネーミングセンスだが、ただのサブリガのような気がするが」

それがだな

「これがただのサブリガではない。それを履くと、誰もサブリガを履いていると気づかなくなるという代物だ」
「サブリガを履いているのに、気づかないのか……」

どうじゃ

「どうじゃ。魅力的だろう」
「あぁ」
「しかもそれだけではない。それを履いた時点で、他のジョブに転職することが出来る」
「な、なんというおいしいサブリガなんだ!」

そうじゃ

「ただし、スーパーサブリガは、怒りを嫌う」
「怒り?」
「向かうまで、おおらかな気持ちでいなくてはならない」
「な、なるほど」

よし!

「サブリガンから抜け出したければ、頑張って手に入れるのじゃ」
「サブリガンを抜けるのに、サブリガを手に入れるのか……。なんか、間違っているような……」

――ダングルフの涸れ谷――
臭いな

「ここがダングルフの涸れ谷……。妙に硫黄臭いな……」

ごぶだ
「むっ!」

そうじゃ
「スーパーサブリガは怒りを嫌う」

いけない、いけない
「おおらかな気持ちだ。戦ってはまずい」

ごほっ
「げほ!」

間欠泉か

「間欠泉に乗って上へあがるのか……」
 Londは考えた。
「しかし、こんな格好では熱くないものか……」

滝だ!

「臥竜の滝だ! あの滝壺付近にスーパーサブリガが!」

こ、これが

「これがスーパーサブリガか……。一見、普通のサブリガのように見えるが……。
 まぁ、サブリガが履いているように見えないという代物だ。
 さっそく履いてみるか」

こ、これは……
「た、たしかにサブリガは見えないが……」

――バストゥーク――
ついた

「ふぅ……。スーパーサブリガを手に入れ、ようやくバスに着く」

よくやった

「スーパーサブリガを手に入れたようだな」
「あぁ」
「これで、サブリガンの限界は突破した」
「こ、これで、ついにサブリガから卒業できる!」

きたな

「おっ。成長して帰ってきたな」

当然だ

「あぁ。この通り、サブリガンの限界を突破したからな」
「そうか」
「では、黒魔道士にジョブチェンジしてくれ」
「うむ。よかろう」

きらきらきら
きらきらきら

これは

「これはどういう事だ」
「んなこと知らん」

次回予告!
予告だ!

「神よ! 最近、更新が遅れているようではないか!」
「メインストーリーを急ピッチで書き上げているのでな」
「一体、どこまで進んでいるのだ!」
「あと1週間と言ったところか」
「最終話には、わたしの出番があるのだな!」
「誰がそんなことを言った」