番外編2「ニンニクの恐怖から救出せよ!」 (03/03/28)
Londではなく、Landだ

 わたしの名前はLand。決して、Londではなく、奴の影武者でもない。
 自分を神と名乗る、ふとどき者のMoogleから、服を着ることを許された。
 ただ、ひとつ気になることがある……。

相変わらずだな

 今まで以上に恥ずかしいのは何故だろう……。

〜がんばれサブリガン!〜
「ニンニクの恐怖から救出せよ!」

何だ、このにおいは

 それにしても、先ほどからなにやら酷い臭いがするのだが……。
「もう、最低! 何とかしてよ!」
 む? なにやら女性の悲鳴に似た悲痛な叫びが聞こえるぞ。

美しい女性たちだ

「麗しい女性たちよ。なにかお悩みかな」
「この臭い、何とかして!」
 この臭い、どうやらニンニクの臭いのようだ。
「この臭いはどこから?」
「向こうの木下にいる男よ」
 だいぶ遠いが、確かにここまで臭ってくる……。
「もう少し離れればいいのではないのか?」
「私たちNPCは、スク○ェアの命令で年中ここに立たなくちゃいけないの」
「それは辛いだろう……。よし、わかった。わたしが何とかしよう」

 クエストを受けた!
  クエスト内容
  麗しき女性二人が、ニンニクの臭いに困っている。ニンニクの恐怖
  から救出せよ!

ニンニクくせぇよ

 うっ、こりゃ近づきたくないほど酷い臭いだ。
「なんだい? ぼくに何か用かい?」
 くそう! 口を開くな! 臭くてたまらん。
「あそこにいる二人が、ニンニク臭くてたまらんそうだ」
「あぁ。ドラギーユ城の地下に、吸血鬼がいるって言うんだ。その対策に、こうして祈祷師のニンニクを食べてるわけさ」
 訊いてもいないこと、べちゃべちゃ喋るな! 臭すぎる!
「そのニンニクかしてみろ」
 奴の持っているニンニクを奪うと、それに齧り付いた。

どうだ。臭いか

 奴の顔めがけて、息を吐きかけてやった。
「どうだ。臭いだろう」
「あっ、あぁ。あんたにやられると、とても臭く感じるような……」
「この臭いを、毎日のようにあの二人の女性が味わっているのだ」
「城の地下にいる吸血鬼がいなければなぁ……」

これで懲りるだろう

「女性がた。あれで少しは懲りただろう」
「っていうか、あんたの方が臭すぎ!」

――ドラギーユ城の地下――
あいつが吸血鬼か

 奴が噂の吸血鬼か……。確かに妙に血の気がなく、吸血鬼らしい風貌だ。それ以上に、チュニックが怪しすぎる(っていうか、あんたの方が怪しすぎる)。
「何か用か……」
「率直に訊こう。あんたが噂の吸血鬼なのか?」
「そういう話をよく聞く。だが、病気で血が欲しいのだ」
「血?」
 やはり、吸血鬼ではないか。
「そうだ。良かったら、血を持ってきてくれないか?」
「わかった。すぐに持ってくる」

 クエストを受けた!
  クエスト内容
  ドラギーユ城の地下の吸血鬼が、血を欲している。血を持ってきて
  あげよう。

――競売所――
せこいねぇ

 さて、血、血……。魔獣の血、500ギルか……。結構安い物だな。
 魔獣の血を500ギルで売り落とした。
 よし、これを持って吸血鬼に会いに行こう。

――ドラギーユ城の地下――
意外と色男なのね

「血を持ってきたぞ」
 奴に、競売所で買った魔獣の血を渡してやった。
「ん? これは魔獣の血。わたしが欲しいのは、獣人の血だ」
「獣人の血だと? 同じ血ではないか」
「微妙に違うのだ」
 う〜む……。どうする、Landよ……。

俺の血を使ってくれ

 袖をめくって、奴に差し出してやった。
「ならば、わたしの血を吸ってくれ。遠慮するな……」
「い、いや……。ある意味おまえも獣だが……」

――ドラギーユ城前――
心配するな

「心配するな。奴は吸血鬼ではない。すべて解決してやった」
「そうか。なら、もうニンニクを食べる必要はないな」
「あぁ。安心しろ」
 よし。これで麗しき彼女らがニンニクの恐怖にさらされることはないな。よし、報告しよう。

もう、大丈夫だ

「もう、奴はニンニクを食べないそうだ」
「本当! 良かった」
 と、言うものの、顔が微妙に引きつっているのは気のせいか?

 クエストを受けますか?
 はい
 いいえ

 む? クエスト? いったい何のクエストだ。
 とりあえず、受けてみよう。

 クエストを受けた!
  クエスト内容
  麗しき女性らが、サブリガ(下着)姿で走り回っている変質者に困って
  いるようだ。この恐怖から救ってあげよう!

 こ、これは、非常にハードルの高いクエストだ……。

次回予告!
予告だ!

「神よ! リアルの3月27日に、Tubomiがタロンギに出没したという情報が入っているぞ!」
「それがどうした」
「3月27日と言えば、バージョンアップ準備日だ。確か、なかなかダウンロードが出来ないから、わたしが召還したのでなかったのか!」
「あぁ。どうやら、最終手段の再インストールを、初日からやったらしい」
「これを毎回のようにやってしまったら、わたしはどうなるというのだ」
「無用と言うことだな」
 こ、これではまずい。このままではわたしが消えてしまう!
「せめて、次回予告を言わせてくれ! 次回の出演を確保すれば!」
「却下だ!」

 っていうか、次回の予告になってねーよ。